「SPYxFAMILY」第一シーズンが終わりましたねー! 続きは10月から、ということで早くも楽しみです。
しかし、感想はまだ書き終わっていないので、引き続き、第一シーズンの感想を書いていきたいと思います。
このアニメ、単純に色々なギャップというか、そういうものの楽しさもあるのですが、結構教訓めいたといいますか、なかなか刺さる台詞や設定、キャラの行動も多く、非常に見ごたえがあるなぁ、と思います。
第7話感想
どうやらターゲットであるデズモンドのお坊ちゃん・ダミアンはアーニャに惚れた模様。
しかし、子供らしく自分の恋心に気付かず、どうしてよいかわからず、むしろ(多分、照れ隠しで)アーニャに辛く当たってしまいます。
そんな風に自分でさえも自分の恋心に気付いていないのだから、周りの人間が気付くわけはない。
ロイドもなかよし作戦は完全に失敗したと思ってしまいます。敏腕スパイをも煙に巻くとは、子どもの恋心恐るべしw ここ、めちゃくちゃ面白かったですねぇ。
で、焦ったロイドはなかよし作戦を諦め、Aプラン、つまりアーニャを特待生にしようという(無理な)計画へと移行。教育パパになってしまいます。
結果、ロイド自身一番恐れていた学校嫌いに、アーニャはなってしまうのです。どうした?ロイド! 焦りすぎだぞw
で、よく考えたら、アーニャの人生は辛そうですよね…。だって、言ってみれば、SNSの誹謗中傷のリプを毎日無差別に受け取っているようなものだからです。それでも天真爛漫でいられるアーニャはすごいと思います。
また、ロイドやヨルを見ていると、血の繋がらない親子の方が、上手く転がれば、子供を尊重できる親になれるんじゃないか、と思ってしまいました。
というのも、特にこの家族の場合はそれぞれの打算で出来上がった家族なので、そもそもお互いあまり期待していません。なので、一歩引いた目で、冷静に子育てができると思うからです。
自分の血を分けた子となると、どうしても過度に期待してしまったり、責任が重くのしかかってきたりして、その結果、我を忘れてしまうことも多々あるからです。
もちろん、そういった我を忘れてしまうくらいの愛情は、それはそれで良いこともあるとは思うますが。
そしてまた、この家族ごっこで、良き父にならねばならない、と思ってるロイドには親がいなかった、というのもポイントだと思います。
そこが、この作品全体を覆う悲しみのような雰囲気になっているのかもしれない。そういう傷はなくならないし、ひょっとしたら、なくならなくてよいのかもしれない。
第8話感想
今回はヨルさんの弟・ユーリが初登場。二人のマンションを訪れます。
そしてまた、ロイドとヨルがいつのまにやら結婚してから一年が経っていたようです。その間、一切弟は知らされていませんでした。それもまた異常な話ですよねw
そして現れたシスコン弟は、ロイドに対して牙を剥きます。しかし、その言い草がどう聞いても「姑」なのが面白いw 弟だけど。
また、海外での買い物の話が東側の諜報機関が使う暗号であることをロイドは看破。モジャモジャの人にもユーリのことを調べさせ、ユーリが秘密警察であることを見抜きます。
姉のことになると途端に見境がなくなったり、ユーリもキャラクター的面白い味付けがされているけど、よくよく考えたら秘密警察です。
ロイドはスパイ、姉のヨルは政府雇われの殺し屋。
よくよく考えたら実はかなりキナ臭い話なのかもしれない。
第9話感想
ヨルの弟・ユーリがフォージャー家の家庭訪問の続き。
無茶苦茶酒癖の悪い無茶苦茶な姉弟だが、お互いがお互いを愛し、とても大事に思っています。
それを感じたロイドはそんな二人を羨ましく思うんですね。「久々に他人を羨ましいと思った」らしい。こういう、他人のマイナス面をプラスに捉えることがロイドの特徴というか、長所でもあると思います。それは、持って生まれたものなのか、諜報活動という社会の裏を見続けてきたからなのかはわかりませんが。
そして、この姉弟に対する評価は、逆にロイドの孤独の大きさがわかってしまうシーンでもあります。
その一方、ユーリが秘密警察であることを嗅ぎ取ったロイドは、ヨルにも疑いの目を向けてしまいます。間ぁ、仕方のないことですが。
そして、この疑いの目を向けたのは、ひょっとしたらそういう嫉妬心もあったのかもしれない、とも勘繰ってしまいます。
もちろん、エスパー・アーニャはヨルは何も知らず悪気もないことを知っていますが、自分がエスパーであることがバレるのを恐れ、言い出すことができません。仕方がないので「喧嘩はダメだよ」とヒント的なものを出すに留まります。
しかしロイドはアーニャの忠告をそのまま言葉通りに受け取り、夫婦喧嘩をしていると思っていると勘違い。「子供はたまに鋭い」と思います。
ただそれはその通りで、現実でも子供は妙に勘が鋭いところありますもんね。そういった意味では、このアーニャのエスパーという設定は、子どものそういう鋭さを更に強化した、言ってみればデフォルメであるのかもしれません。
そしてロイドはヨルに盗聴器を仕掛け、あまつさえモジャと共に秘密警察に変装し、自分に対する諜報活動を行っているのかどうか、カマをかけます。そこでヨルは本当に何も知らなかったことをめでたく確信。
しかし、モジャには(生意気にもw)「疑ってしまって罪悪感とか言うなよ」と言われてしまいます。わざわざモジャにこんなことを言わせるということは、つまりはモジャの言葉通り、ロイドには罪悪感が芽生えてしまった、ということです。
会社帰りのヨルと合流し、ロイドはそこで妻や母親として振る舞えていない自分を反省するヨルに、自分たち以外の人も誰しも多かれ少なかれ演じている、と諭し、妻はこうあるべき、母親はこうあるべき、ということばかり気にしていると本当の自分を見失いがちになってしまう、と言ます。だから、そのままのヨルさんでいてください、と。
それはとりもなおさず、自分自身に向けられた言葉なんだと思います。そしてそれは、観ている視聴者に対しても。
そして、ロイドはヨルから盗聴器を外し、捨てます。このシーンはある意味、「世界劇場」の否定ともいえるかもしれません。
しかし、一周回って、その自分らしさも、世界に与えられた役割なのかもしれない。