「錆喰いビスコ」の第3話を観ましたー。
今回は、ひとつターニングポイントとなる回だったと思います。
なるほど、そう来たかー!という展開が早くもやってきて、なかなかスピーディーですね。
真実
前回までは、キノコの出す胞子が人を錆びさせる、という世界観でした。
そんなところに、所かまわずキノコを生やしまくってるビスコが登場しても、もう忌浜県は大パニック!ということでした。
しかし! 実はそのキノコこそが錆を吸収し、養分としている、つまり人が錆びる病を防ぐという事実が判明します。
全然逆じゃん!
この展開にはビビった。いや、鋭い人なら先を読んで気づいていたのかもしれませんが(だって主役ビスコですからね)、僕は気づきませんでしたコノヤロー。
このね、今までと真逆を行く、作品世界の本当の真実が、いいですよね、この展開。上手い具合にミスリードされました。
そういう風に誤解されてしまった理由としては、錆びがあるところにキノコは自生するので(まぁ、キノコにしてみればエネルギー源ですからね)、この二つは関係がある、と結び付けられてしまったらしいのです。
つまり、逆に解釈されてしまったんですね。不幸な誤解ではあります。錆びを治すはずのキノコが犯人扱いされてしまっているわけですからね。
スピード感のある演出
で、このことの説明なんですけど、ビスコがミロの姉に、ジャビがミロに、というカットバックで見せていて、これが良かったですね。
前回は時系列を複雑にすることにより、「どう?かっこいいでしょ?」ということを狙って見事にハズしましたが、今回は大成功と言っていいのではないでしょうか。
とかく退屈になりがちな説明シーンをスピード感を交えて描けていると思います。
しかも、ここの説明、めちゃくちゃ大事ですからね。今までの事の成り行き(キノコによって人が錆びる)を説明しつつ、実はそれが間違っていた、という衝撃展開。そこをちゃんと説明している。しかも、アクションを混ぜつつ、退屈しないように。
これ、良かったと思うんですよねー。
対照的で仲良し姉弟
そして、賢いミロは納得し(半ば予想もしていた)、脳筋でマッチョな姉ちゃんは全く聞く耳持たないのが面白い。
本当に姉弟か?w
そう、カットバックを使った説明も、ちゃんとビスコ側とミロ側で分けられている。
しかも、これからタッグを組むビスコ・ミロではなく、ビスコ・ねーちゃん組とジャビ・ミロ組という風に、対角線にひねっている。そこもまた良かったと思います。
しかし、ホント対照的ですよね、この姉弟w
でも、対照的でありながら、もう、ホンット愛し合っていて、心の底で繋がっているのがわかりましたよね。
ちょいちょい、そういう描写を挟んでくる。上手いなー、と。見ていて感情移入もできたし。
思考停止社会
でも、ビスコの話を全く受け入れてくれないのは、ミロのねーちゃんだけではありませんでした。群馬県の門番もビスコの話を聞き入れてくれないんですよね。
つまりは、この世界全体がキノコ守りの話を聞いてくれない。
ジャビの話では、「キノコ守りにもひどい輩がいる」というのも原因の一つらしいのですが(一つ、伏線が張られましたね)、それだけではないようにも思えます。
それほどまでに「常識」に凝り固まっていて、思考停止状態に人々はなっているということもあると思うんです。
常識をひとつ疑ってみて、本当にその常識は真実なのだろうか、という態度は実は殊の外大事なものだと思います。
聡明なミロはそれを既にやっていたんですよね。だから、ジャビから話を聞いた時「やっぱり」という反応が出てくる。
でも、ほとんどの人はできていない。そんな社会が描かれています。ちょっと、怖いですね。
もちろん、それほどまでに錆の脅威がひどいとも言えるのですが…。
陰謀論?
でも、ですねー、この「キノコのせいで錆びる」という根も葉もない噂を広まったのは、事実と逆に解釈された、というのではちょっと弱い気がするんですね。
それだけじゃないんじゃないだろうか、と。
つまり、そういう風に逆に解釈させる、何か変な力が働いたのではないか、と。
例えば、津田健次郎演じる県知事がそうやって情報操作をしたのではないか、とか。
そうすることによって、何やら莫大な利益を得られる、とか。
そういう陰謀論めいた話に繋がっていくと、更に面白いような気がするのですが、どうでしょう?
次回から本編?!
そしてラストはビスコとミロが旅に出て、以下次回!となるわけですが、多分、今までのところが、この作品の大まかな説明部分だったんでしょうね。
主役、そしてそのバディの顔見世、二人の目的、世界観、ここで起こっている問題などなど。
それらのことが、大体語られたかな、と。
だから、次回からいよいよ本編スタート、といったところなのではないでしょうか。