もう随分前の話なんですけど、とある番組で荒木飛呂彦が鳥獣戯画について語ってまして。そこだけちょっと観たんですけど、個人的にはすごく面白かったです。
先ず、鳥獣戯画と言えば、日本の漫画の原点、始祖とも言われる作品で、それについて、現役の、超人気漫画家が語る、という夢のような企画なわけです。
荒木飛呂彦が何を語るのか?
非常に興味をそそられました。
で、荒木飛呂彦曰く、世界観を表そうとしたのではないか、と。
なるほどなぁ、と。
漫画家はストーリーやキャラクターを考える一方、同時に世界観を描きたい、その作家の頭の中にある世界を描きたい、というのがあるらしいんです。
鳥獣戯画はそれを描こうとしたのではないか、と言うんですね。
観ている人に、この世界に行きたい、と思わせるような。
僕は、漫画、アニメ、特に映画などは旅だとも思っているのですが、やはりそういう楽しみ方は正しかったのだ、と思ってしまいました。
ストーリーを追うだけではない、絵を楽しむだけではない、そこで描かれている、その漫画の出来事が行われている、その場を旅するのが、漫画、アニメ、映画の醍醐味だと思ってました。
それを荒木飛呂彦が、漫画家と言うのはそういうものを描きたいのだ、と言ってくれたのです。なんだか嬉しくなっちゃいました。
しかも、日本の漫画の始祖である鳥獣戯画からしてそうなのかもしれない、という。そもそもの始めから、その点がすごく大事で、「作者はそういうものを描きたかったのではないか」というのが、やはりそういうものなのか!という思いで嬉しいですね。
また、細部までよく描けているとも言ってました。例えば、猿が帽子を被っているが、なぜこの猿は帽子をかぶっているのだろう?と考えさせると、絵の世界が広がっていく、というようなことも言っていました。
考えさせる、ということは、その絵の中に没入していく、ということですからね。やはり、世界観、なんですね!